2000年4月11日(火)16:19

ギリシャはトルコへの接近政策を継続する意向

ルクセンブルク(ロイター)

 再選されたギリシャ政府の外務大臣パパンドレウは今後もトルコへの歩み寄り政策を続ける意向を明らかにした。「去る日曜日の選挙戦の勝利は、これまで政府がとってきた外交政策、とりわけ欧州連合(EU)とトルコの関係強化という政策に対する支持である」とパパパンドレウは火曜日にルクセンブルクで語った。同外相は当地でEUの外相およびトルコのイスマイル・ジェム外相との会談に出席したものである。EU拡大担当のEU委員ギュンター・フェアホイゲンは「火曜日にいくつかの委員会が構成され、トルコの加盟交渉の開始準備が行われた」と述べた。

 「ギリシャとトルコの関係は目下必ずしも円満なものではないが、今後協力を進めるにあたり良い基盤となっている。地中海の分断された島、キプロスの紛争もそれにより解決が容易になる」とパパンドレウは報道陣を前に語った。NATOに所属するギリシャとトルコは長年の紛争のため決裂している。とりわけキプロスおよび両国が領有を主張して譲らないエーゲ海の島々が争いの原因となっている。キプロスにおいてはギリシャ系の軍事政権がクーデターで政権につくと、1979年にはトルコ軍が進攻し、島の北三分の一を占領。それ以降キプロスは分断されたままである。両地区間の連絡はほとんどない。トルコ系キプロス行政区はEUへの加盟を拒んでいる。一方、ギリシャ系キプロス政府は欧州連合への加盟を推進している。

 EU拡大担当委員フェアホイゲンは「トルコの立法がEUの法律と調和しているかを調べるいくつかの委員会が構成された。この措置によって加盟プロセスが促進されるであろう」と述べた。フェアホイゲンはジェム外相に「しかし、トルコが、昨年12月のヘルシンキのEUサミットで正式にEU加盟候補国として承認されてから、人権問題の改善にほとんど取り組んでこなかったことをEUは憂慮をもって受け止めている」とも伝えた。EUはトルコを加盟候補国として承認しているが、加盟交渉を開始するか否かはなによりも同国内における人権問題の改善にかかっている。

原題: Griechenland will Annaeherung an Tuerkei fortsetzen